愁殺の夜愁殺の夜 それぞれの夜に 休みなき姿の寒々し ひとことも声たてぬ我に 突然と憂歌響きわたり かたわらに坐す人もなければ 惑う心も唯歌の中に浸みいる ゆるく自転を続ける虚偽なる球体が 不鮮明なる光の洗礼を受ける前に 鉄の燭台に火を灯さん 夜の悲しみの中 息をつめて 鈍き光を放つ燭台を凝視するは 泪の足音を怖るる我のみぞ 自然光をのぞんではならぬ 朝雨は我が為に降り 濡れることを辞してはならぬ 我は愁殺の夜尽きぬ 寒士なれば 人生得意ならず ジャンル別一覧
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